
HANASENNIN
Painter and Raku Tea Bowl Artist
HANASENNIN
Painter and Raku Tea Bowl Artist
花仙人の制作工程を、準備・成形・焼成の八つの段階に整理しました。左の帯は工程とともに上がる温度を表し、素焼きから本焼きへ、最後は水による急冷へと移ります。
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一
粘土探し
花仙人の制作は、使う土を自ら探すところから始まりました。最初に選んだのは、藤沢周辺で見つけた青粘土でした。
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二
築窯
花仙人は、一碗ずつ本焼きし、横から茶碗を出し入れできる薪窯を自ら築きました。耐火レンガを用い、窯全体を小屋で覆った、制作環境に合わせた独自の窯でした。
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三
薪の調達
乾燥 1〜2年素焼きには雑木などを、本焼きには赤松を用いました。赤松は割った後、一〜二年乾燥させ、専用の薪小屋で保管しました。
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四
粘土作り
- 採取した原土を十分に天日乾燥させる。
- 乾燥した原土を少量ずつステンレスボウルに入れ、丸い石で細かく砕く。
- 砕いた土を篩にかけ、粒をそろえて蓄える。
- 粉粘土に木節粘土を一〇〜二〇%ほど合わせ、板の上でよく混ぜる。
- 混ぜた土を阿蘇のカルデラのような輪形にし、中央に少量ずつ水を加える。
- 土の状態を見ながら水分を調整し、目指す柔らかさまで練り上げる。
- 練った土を袋に入れ、冷暗所で寝かせる。
使用時の目安は、耳たぶほどの柔らかさ。木節粘土の割合や水分量は、採取した原土の状態に応じて調整しました。
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五
手びねり
一碗 約10分二度いじりをしないロクロも成形台も使わず、両手の上だけで一碗を捻り、およそ十分で付け高台まで形づくりました。
一度立ち上げた形に手を戻して修正せず、その瞬間の判断で一気に仕上げる。それが花仙人の新手びねりの原則でした。手の角度、重力、土の流れを同時に読むこの技法は、文章だけで完結するものではなく、実践を通して身体で伝えるべきものと考えられていました。
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六
仕上げ
自然乾燥 翌日まで仕上げ 2〜3日成形した茶碗を室内で翌日まで自然乾燥させ、その後二〜三日に分けて削りと仕上げを行いました。乾燥の進み方を見ながら一碗ずつ整え、素焼きに必要な数を蓄えます。
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七
素焼き
一窯 約30碗計6〜9時間24時間以上おく素焼きでは、一窯につき約三十碗を焼成しました。急激に温度を上げず、窯の状態を見ながらゆっくり火を進めることを重んじました。
焚き口での炙り焚き、中間焚き、本焚きをそれぞれ二〜三時間。いずれの段階でも、焚き過ぎないことが重要でした。
覗き穴から窯内がぼうっと赤くなるのを確認した後、さらに二十〜三十分焚いて終了。火を止めてから二十四時間以上おき、十分に冷えてから取り出しました。
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八
本焼き
記録値・赤楽 約900℃記録値・黒楽 約1000℃一碗 10〜12分水で急冷冬晴れの日、夜明け前に火を入れ、約八時間かけて窯を本焼きの状態まで上げました。温度と時間は、花仙人の窯と釉薬における目安です。
本焼きが近づくと、釉薬を薄く数回に分けて施し、窯の上で水分を飛ばしました。
茶碗は鉄製の火ばさみで一碗ずつ窯へ入れ、覗き穴から釉調を見ながら引き出す時を判断しました。十〜十二分ほどで取り出し、水を張った鉄製容器で急冷すると、釉の発色が現れます。
窯から引き出した直後の茶碗は非常に高温です。十分に冷えるまで、決して素手で触れてはなりません。
釉薬のこと
- 花仙人は、楽焼釉薬の原料として唐土(とうのつち)・白玉・日の岡を用いました。
- 黒楽釉には、基礎釉・砂鉄・弁柄を用いました。
- これらは花仙人が制作していた当時の原料名です。旧来の楽焼釉には鉛を含むものがあり、現代の市販釉薬と同一とは限りません。
何事も、考えるより
実践してみることである。※本ページは、花仙人固有の技法を伝えるための制作記録であり、一般的な作陶手順や制作の再現を勧めるものではありません。築窯、薪焚き、高温の茶碗の取り出し・急冷、釉薬の調合には、火災、やけど、破損、煙や有害物質への曝露などの危険があります。実作業には、専門設備、十分な換気、適切な保護具および専門家の指導が必要です。
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