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花仙人の楽茶碗 — 江ノ島・鎌倉の土と独自技法で生まれた、創造性あふれる手づくりの楽焼作品   Hanasennin Raku Tea Bowl — a handcrafted raku piece created with unique techniques using clay from Enoshima and Kamakura
花仙人の楽茶碗 — 江ノ島・鎌倉の土と独自技法で生まれた、創造性あふれる手づくりの楽焼作品   Hanasennin Raku Tea Bowl — a handcrafted raku piece created with unique techniques using clay from Enoshima and Kamakura

HANASENNIN

Painter and Raku Tea Bowl Artist

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花仙人の楽茶碗 — 江ノ島・鎌倉の土と独自技法で生まれた、創造性あふれる手づくりの楽焼作品   Hanasennin Raku Tea Bowl — a handcrafted raku piece created with unique techniques using clay from Enoshima and Kamakura
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    HANASENNIN / 楽焼と楽茶碗

    花仙人の楽焼・楽茶碗


    加藤長一(花仙人)は、藤沢・鵠沼の自宅に楽窯を築き、二十年近くにわたって千点近い楽茶碗を遺しました。ろくろも成形台も使わず、両手の上だけで一碗を立ち上げる——その独自の制作を記録しています。

    楽茶碗は、ろくろによる均一な円とは異なり、手による微妙な変化を備えた器です。使う人の手に自然と馴染み、静かな時間を生み出すことが、その魅力とされてきました。

    楽茶碗とは

    楽茶碗は、十六世紀後半の京都で、陶工・長次郎によって作られはじめた茶碗です。千利休のわび茶と深く結びついて発展しました。

    唐物や高麗物を見立てて用いる文化のなかで、楽茶碗は茶の湯で用いるために作られた器でした。一碗の茶を点て、両手で受け取るという行為に沿った形をしています。

    花仙人の楽茶碗の特徴

    ろくろを使わず手で成形すること自体は、楽茶碗に広く共通する特徴です。花仙人の独自性は、そこからさらに進んで、成形台も使わず、両手の上だけで形を立ち上げたことにあります。

    そのため、一碗ごとに輪郭や手取りが異なります。指の跡や手成形ならではの起伏が、そのまま表面に残ります。

    成形から焼成まで

    成形 約10分 本焼 一碗 10〜12分

    成形はおよそ十分ほど。その短い時間のうちに、茶碗のおおよその形が決まります。その後は自然乾燥させ、箆で削って仕上げます。

    焼成は、冬の乾いた晴天の日に行われました。本焼では、熱した茶碗を鉄の火鋏で窯から引き出し、水を張った鉄の容器で急冷します。花仙人の制作記録には、このとき釉薬の色が現れてくる、と記されています。

    四つの記録

    01 手びねり楽茶碗とは

    成形と箆削り、手取りと質感、一碗ごとの焼成。楽茶碗を成り立たせている三つの要素。

    02 新手びねり楽茶碗

    昭和三十年代の藤沢で、加藤長一が独自に考案し、自ら名づけた制作法。土を選び、窯と道具を整えるところから。

    03 楽焼の作り方

    粘土探しから築窯、薪の調達、手びねり、素焼、本焼まで。花仙人の制作記録を八つの工程で紹介します。

    04 楽茶碗の歴史と背景

    十六世紀後半の京都。長次郎と千利休のわび茶、「今焼」から「樂」へ。呼称と系譜の変遷をたどる。

    作陶のはじまり

    花仙人は楽茶碗の制作を始めるにあたり、東京美術学校の同級生であった吉田耕三から、作陶上の指導を受けました。

    粘土は、遊行寺・江の島・鎌倉で採れる青粘土や白粘土を用いました。土地の土を自らの足で探すという姿勢は、生涯を通じて変わりませんでした。

    粘土を、流れる素材として

    花仙人は、水分を含んだ柔らかな粘土の流れと重力を利用し、両手の上で形を立ち上げました。本人の制作記録では、この土の動きを流体力学になぞらえて捉えています。

    ろくろが回転によって形を決めるのに対し、この方法では手の角度と重力、そして土そのものの流れが形を決めます。見た目より軽く、抹茶を点てるための深い見込みを備えた茶碗も見られます。下の可視化は、その成形の様子を再現したものです。

    私の夢は、世界中のひとたちに
    自分の茶碗で、平和なお茶会を
    してもらうことだ。

    — 花仙人

    花仙人が遺した「手で点てる時間」という思想は、
    現代において新たなかたちで再解釈されています。

    ▶︎ WACHAにおける花仙人の思想を見る

    花仙人(加藤長一、1917–1998)/洋画家・版画家として出発し、戦後は神奈川県藤沢市鵠沼で楽茶碗の制作に専念しました。

  • WORDS OF HANASENNIN

    花仙人の言葉

    土に向き合い、茶碗を生んだ人の記憶。手記に残る言葉を、五つのテーマに分けて紹介します。

    花
    仙
    人

    土に向かう

    茶碗をつくるということについて。

    • 心01

      「その時の心が乱れていれば、茶碗も乱れる。」

      花花仙人
    • 一服02

      「まず一服して、気をほぐしてから茶碗を作るのがよい。」

      花花仙人
    • 手びねり03

      「手びねりの茶碗は、良くも悪くも、その人そのものだ。」

      花花仙人
    • 景色04

      「すべてを削り出してしまわず、一点だけ自然を残し、それを景色とする。」

      花花仙人
    • 窯05

      「茶碗は侘び寂びの世界。あとは窯の中で、神のみぞ知る。」

      花花仙人
    • 飲む06

      「茶は、飲み口の高いところから、ただ飲めばよい。」

      花花仙人
    • 扱い07

      「茶碗は必ず両手で持つこと。そうでなければ割れる。」

      花花仙人
    • 絵08

      「茶碗には絵を描かない。それが私のモットー。」

      花花仙人
    • 楽09

      「楽焼を長く続けるなら、轆轤には手を出すな。」

      花花仙人
    • 土10

      「粘土は、耳たぶほどのやわらかさに練り上げる。」

      花花仙人
    • 手抜き11

      「何を作っても手は抜けない。中途半端は出来ない。」

      花花仙人
    • 一発勝負12

      「一碗は、十分でひねり上げる。一発勝負だ。」

      花花仙人
    01
    12

    素直であること

    花仙人が繰り返し語っていた、いちばん短い教え。

    • のびる01

      「人間は、素直ではないとのびない。」

      花花仙人
    • 教わる02

      「素直さがないと、相手も教えてくれない。また、身にもつかない。」

      花花仙人
    • 聞く03

      「素直な気持ちで、人の話を聞くべきである。」

      花花仙人
    • 捻る04

      「素直な気持ちで捻ると、その時の状態のものが出来る。」

      花花仙人
    • 見栄05

      「人間、見栄を張らない方がよい。知らないことは、知らないでよい。次までに学び、頭に入れればよい。」

      花花仙人
    • 見る06

      「人間は、目を開いていても、見えていない人が多い。」

      花花仙人
    01
    06

    学びと実践

    先人から受け取り、自分の手で確かめること。

    • 先人01

      「先人に学ぶことは大切。歴史は繰り返される。」

      花花仙人
    • 光陰02

      「少年老い易く、学成り難し。光陰一時を軽んずるなかれ。」

      南宋の朱熹「偶成」に由来する句として書き留められている。

      花花仙人
    • 機03

      「鉄は熱いうちに打て。」

      花花仙人
    • 玉04

      「磨かざる玉は光らず。なに一つとっても、人生に勉強は必要である。」

      花花仙人
    • 実践05

      「まず実践が大事。」

      花花仙人
    • 生き方06

      「人生における生き方は、自分で学び、自分でつかんでいくことが大切。」

      花花仙人
    01
    06

    芸のこと

    洋画家・版画家として出発した人の、ものの見方。

    • 拾う01

      「捨てたものを拾い、ちょっとひねって生かすのが芸である。」

      花花仙人
    • つなぐ02

      「どこに何が転がっているのか。どことどこをつなげば、どのようになるか。それが最も大切だ。」

      花花仙人
    • 夕陽03

      「藤島先生は朝日を描いた。自分は夕陽を描こうと思う。」

      藤島武二(1867–1943)。東京美術学校で花仙人が学んだ洋画家。

      花花仙人
    • 土くれ04

      「こんな土くれ、コバカにするな。ちょっと捻れば血が通う、ああ血が通う。」

      花仙人の言葉ではなく、東京美術学校で歌われていた歌として手記に書き留められたもの。

      花花仙人
    • 約束05

      「地唄舞の武原はんさんと、互いに芸を極める約束をした。だから茶碗は、すべて手元に残しておく。」

      武原はん(1903–1998)。徳島出身の舞踊家。地唄舞の名手。

      花花仙人
    01
    05

    人生のこと

    土から離れて語られた、暮らしと生き方の言葉。

    • 歩く01

      「何事も急ぐばかりの昨今だが、深く笠をかぶり、周りに気を配り、ゆっくりと歩いて旅をすることが、最良の人生である。」

      花花仙人
    • 大木02

      「一本の木のように、ゆっくりと大木になりたいものである。」

      花花仙人
    • 表と裏03

      「物事にすべて表と裏があるように、人生にも表と裏がある。」

      花花仙人
    • 昼と夜04

      「人生には良き時と悪き時がある。昼と夜では、同じ場所でも人でも変わる。」

      花花仙人
    • 目的05

      「若くても、老いていても、人生の目的を持たぬものは、不幸の道をたどるのみである。」

      花花仙人
    • 三つの型06

      「人間には三つの型がある。見れば何でも俺のものだという人。滑って転んで掴んだものは離さないという人。なんでもお持ちなさい、という人。」

      花花仙人
    • 夢07

      「夢を持ちなさい。」

      花花仙人
    01
    07
    花仙人(加藤長一、1917–1998)の手記および家族の記録に残る言葉をもとに、読みやすく整えています。 RAKU CHAWAN — THE ART OF THE HAND

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